変形性膝関節症(筋収縮力改善運動)
だいぶ久しぶりの更新となってしまいました。
引き続き、変形性膝関節症の今回のテーマは「筋収縮力改善運動」です。
筋収縮力改善運動の目的は、
①弱化した筋の機能改善
②関節安定性の改善
③立位姿勢平衡の改善
留意点としては、
①筋機能には、
ⅰ、収縮により、関節を安定させる
ⅱ、求心性収縮により関節運動を生じさせる
ⅲ、遠心性収縮により衝撃吸収を行う
ⅳ、感覚器に分類できる
OAでは、膝と股関節周囲筋の等尺性筋力は
同年代の健常者と比較して有意に低下しており、
外部膝関節内反モーメントと筋力は負の相関関係が認められた。
以上のことから、筋収縮の改善はOAにとって重要であることがわかる。
②筋は関節の安定性獲得と関節運動を導くことが要求される。
筋は体重支持筋と非体重支持筋に分類され、体重支持筋は関節を安定させる
作用に、非体重支持筋は関節トルク発生に関与する。
このことにより、やり方を間違えれば、強い収縮力をもつ筋をもっと高め、
本来改善すべき弱い収縮力をもつ筋をまったく使わなくなってしまうという
結果に陥りやすいため注意が必要である。
③立位での方向により、一つの視点だけではなく、全身的視点から下肢と体幹の
筋機能を改善する必要がある。
④方法論として、OKCとCKCがある。OAにとってどちらの方法が適切なのかという
議論は必要なく、患者にとってどこの筋の、どのような機能が必要であるか、
そしてそれを改善するためにはどのような方法がよいのかを考えながら実施していく必要がある。
⑤最大筋力の改善は必ずしも必要ない。課題に応じて筋緊張を制御できる能力の改善を主目的とする。
最初は低負荷で、可動域全般にわたって筋緊張を制御できるようにする。